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陸上養殖と海上養殖の違い

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陸上養殖と海上養殖の違い

とらふぐなどの海洋魚の養殖というと、海で生簀を利用したものがほとんどだと思っていませんか。

この海で行う養殖の事を海上養殖というのですが、この海上養殖には水が使い放題というメリットがあります。

しかし、水質の管理が難しく魚が大量に死んでしまうという事があるのです。

また、海上養殖では無毒のふぐは作る事ができないと言われているのですが、これはなぜなのでしょうか。

そのため、近年では海上養殖と違い海以外の場所でとらふぐなどの海洋魚の養殖をしている業者もあります。

この養殖の事を、陸上養殖というのですが、これには水の問題が付きまといますが、水質の管理がしやすいというメリットがあるようです。

さらには、この陸上養殖でならば毒の無いふぐも作り出すことができるらしいのですが、なぜ海ではなく陸上であれば、毒の無いふぐを作る事ができるのでしょうか。

今回は、そんな海上養殖と陸上養殖の違いから、毒の無いふぐが作られる理由をご紹介します。

海上養殖とは

冒頭でも少しお話ししましたが、海の中に生簀を入れて養殖を行う事を、海上養殖と言います。

海の上で行う養殖という事で海上養殖と言われているようなのですが、この海上養殖には漁業権などが必要なため、今まで漁業に携わってきていない方には、少し始めるのにハードルが高いようです。

そんな海上養殖ですが、自然の海を利用して養殖をするわけですから、水質などの管理は難しく、自然に委ねることになります。

そのため、赤潮が発生してしまうと大量の魚が死んでしまうなどの重大な損害が発生する可能性もありますし、寄生虫をはじめとする様々な病気が生簀内に入ってしまい、魚が死んでしまうという可能性もあるのです。

そんなか海上養殖においてとらふぐを養殖している業者も多くあるのですが、基本的にはこの海上養殖において毒の無いふぐを育てるのは非常に難しく、毒の無い物を育てるというよりは、安定供給をするために自然に近い環境で養殖をしているという業者が多いのです。

何故毒の無いふぐを作るのが難しいのかというと、あくまでも自然の海で養殖を行っているという事が一番大きいのです。

どのような事かというと、養殖用の生簀を浮かべている場所は自然の海ですから、勿論生簀内には海の中に存在している様々な生き物が入り込む可能性があります。

また、人工的なエサだけを与えていても、生簀の網の部分に貝類が付着してしまうという事は避けることはできません。

この付着した貝類を食べるふぐも出てきます。

そうする事で、人口のエサだけを食べていると無毒のふぐになるはずにも関わらず、貝類などの付着により、人口餌以外のエサを食べてしまいますから、そこからふぐが毒を摂取し毒を持つようになってしまうのです。

この事から、海上養殖では水質だけではなくふぐのエサの管理も難しいため、毒の無いふぐを育てるのは基本的に不可能だと言われているのです。

陸上養殖とは

海で行う養殖と違い、山などの海とは離れた場所で養殖をされている物を陸上養殖と言われます。

この海上養殖では、ふぐやヒラメといった海洋魚が養殖されています。

海上養殖と違いこの陸上養殖には、海を使用しませんので、漁業権がまず発生しません。

そのため、山間の企業で設備投資が可能な企業があれば簡単に開始する事ができるのです。

しかし、海水もない山の中でどの様にして養殖をするのかと思いますよね。

まさか真水では養殖はできませんし、海から運ぶとなるとかなりのコストが必要になります。

そこで現在利用されているのが、温泉です。

温泉にはミネラルが多く含まれており、多くの塩分が含まれている物も多くあります。

そのためこの温泉を利用して、ふぐの養殖をされている業者があるのです。

そしてこの陸上養殖では、水質の管理ができるという利点と、海の生物が入り込まないという利点があります。

水質の管理ができる事で、大量のふぐが死んでしまうという状況を回避する事ができますし、海の生き物や寄生虫が入り込まないという事から、餌などの管理もできるようになるのです。

そのため、陸上養殖では毒の無いふぐの養殖が可能になるのです。

また、水質の管理によりふぐの大量死が発生しないという事は、毒の無いふぐの安定的な供給が可能になるという事につながるのです。

そのため、将来的に陸上養殖が主流になっていくことにより、比較的安価なとらふぐを家庭でも安全に食す事が可能になる可能性があると言えるのではないでしょうか。

日本の食を変える可能性がある陸上養殖

無毒のふぐを作り出すことが可能な陸上養殖は、毒の無い安全なふぐを家庭に届ける事ができるようになる可能性を持っています。

しかし、現在はまだまだコストが掛かり発展途上である為に、現状ではまだまだ料亭などに卸すという事が精いっぱいのようです。

また、家庭で食すことができるようになるには完全なる安全性を主張し、国の承認が必要になる為、現実する事は現状では難しいと言われています。

もしも、無毒のふぐに関して肝を食べられるという事が認められるような事が今後あれば、現実味を帯びてくる可能性はありますので、養殖ふぐ界の動向にも注目していきましょう。

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