ふぐと言えば危険な魚ですが、食べると美味しいと思っている方が多いのではないでしょか。
ふぐはとても淡白な味わいですので、いくらでも食べられるという人も居るほど美味しい魚でもあります。
しかしふぐの体内には、テトロドトキシンという現在世界中で解毒剤すら存在していない危険な毒が存在しています。
このテトロドトキシンは神経毒となっていますが、筋肉の動きすら止めてしまう為呼吸すらする事ができなくなってしまいます。
その為中毒者のほとんどが、意識の無くなったまま呼吸困難になり無くなってしまうのです。
とにかく食べる時は美味しいけれど、当たったら文字通り死ぬほど辛いのがテトロドトキシンなのです。
そんなふぐの強力な毒であるテトロドトキシンは、ふぐの肝所謂肝臓に多く含まれています。
どれくらいかというと10gの肝で人が死んでしまうケースもあるほどです。
そんな危険な気ものなのですが、昔から食べたいと懇願する人が後を絶たない様なのですが、これはどういう事なのでしょうか。
そして最近ではネット上に養殖の肝ならば食べても大丈夫という様な書き込みも見つけたのですが、そんな危険な事は絶対にしてはいけません。
そこで今回は養殖のふぐであればふぐの肝は食べても大丈夫なのか？という事をご紹介します。
□基本的にふぐの肝は食べてはダメ！
ふぐの肝が食べたいという美食家は、沢山ふぐの毒の餌食になり命を落としています。
これは冒頭でも話したように、ふぐの肝には人を簡単に殺してしまう事ができるほどのテトロドトキシンが蓄積されているからです。
そんな危険なふぐの肝ですから勿論厚生労働省のホームページでも食べてはいけない部位とされています。
ですからどんな理由があっても基本的には食べてはいけません。
法律で決まってはいませんが、各都道府県において条例で定められていますので、ふぐの肝を食べたいと言っても基本的には提供されませんので、食べる事は非常に難しいでしょう。
しかし中には養殖のふぐの肝ならば食べても大丈夫という人も居ますし、天然物でも自分はテトロドトキシンに耐性があるから食べても平気だと言っている人までいます。
基本的に食べても大丈夫だったのは、たまたまふぐの毒素が低かっただけです。
ですからその人にテトロドトキシンに対する耐性があるわけではありません。
養殖のふぐに関しては本当に食べても大丈夫なのという方も多いでしょうが、実際はどうなのでしょうか。
□養殖のふぐの肝は食べても大丈夫？
養殖ふぐの肝は食べても良いという根拠のない噂がネット上にありますが、養殖ふぐであっても肝を食べるという事は絶対にしてはいけません。
何でダメなの？と思う方も少なくは無いでしょうが、基本的にふぐには毒が有るこれが常識です。
その為ふぐの肝は絶対に食べてはダメという事になります。
養殖ふぐは無毒なのでは？という人も居ますが、無毒なのは無毒になるように育てられた養殖のふぐだけです。
普通に養殖されたふぐは必ず毒を持つのです。
生簀内にテトロドトキシンを保有する生物が侵入してしまう為です。
また生簀の網目にヒトデなども付着してしまう為に、それを捕食してしまったふぐが有毒化してしまうのは仕方の無い事なのです。
また無毒のふぐを育てるにはかなりのリスクがある為、多くの養殖業者はテトロドトキシンが含まれる餌を与えるのです。
というのもテトロドトキシンが無いふぐはストレスが溜まりやすくなりますし、病気や寄生虫の餌食になってしまうのです。
その為人工的に初めから有毒化するという事が行われています。
ですから養殖のふぐは大丈夫という根拠のない都市伝説に踊らされない様にしてくださいね。
□大分県ではふぐの肝が食べられる？
因みに、養殖のふぐの肝ならば食べる事ができるという話が広まった原因は大分県ではないでしょうか。
というのも大分県では、無毒のふぐの養殖に成功しており、大分県内に限りふぐの肝を提供しています。
この大分県内に限りというのは、大分以外の場所ではふぐの肝を提供したらダメという記載があるので提供ができませんし、する可能性は低いようです。
大分県ではふぐの取り扱いに関する条例にふぐの肝を提供してはダメ！という記載がなかったらしく、提供ができているようです。
ですが現在、養殖のふぐの肝は食べる事ができるという間違った情報が流れているいる状態を見ると、そのうちにふぐの肝は実は食べる事ができるという様な無いようになってしまわないかと不安になってしまいます。
ふぐの肝を食べる事が悪いとは思いません。
ですが間違った情報を間違ったまま拡散させてしまっては、ふぐの肝で日本中で犠牲者が出てしまうという状況になってしまう可能性もありますので、今後は大分県の養殖ふぐは肝を食べる事が大分県ではできるという情報に上書きをお願いします。
日本人の念願だったふぐの肝を食べに大分へ行ってみてはいかがでしょうか。
