「ふぐの一夜干しの美味しい食べ方」
日本を代表する料理食材の1つふぐ。
ふぐ食の歴史は古く、日本ではふぐ食の禁止を受けたり、解禁になったりと様々な歴史があります。
そんなふぐですが、数百種類のふぐが居るとされています。
しかしそのほとんどが、体内にテトロドトキシンという猛毒を有していて、昔からこのふぐの毒により多くの人が命を落としてきました。
その為地方によっては、ふぐの毒を恐れ縁起の悪い名前でふぐを呼ぶなどの地域が多い一方、ふぐ料理の本場山口県では「ふく」と縁起の良い呼び方をするなど、地域によりふぐに対する印象は様々の様です。
そんなふぐを食べる方法としても多くの食べ方や調理法があります。
刺身でしたり鍋等本当に多くの食べ方がありますが、今回はふぐの一夜干しの美味しい食べ方をご紹介いたします。
■ふぐの一夜干しとは
ふぐの一夜干しとは、その名の通り、下処理をしたふぐを一晩かけて乾燥させた干物の事を言うのです。
ふぐは春の繁殖期に備えて、冬から体の中に栄養を蓄えていきます。
そのため身が太り旬のふぐは肉厚で、栄養価も高く、一番美味しい時期と言えるでしょう。
一番美味しい時期に短期間で旨みを濃縮させる一夜干しは、刺身や鍋で食べるふぐとは違った美味しさが味わえるとファンが多い多くの人に支持される一品なのです。
ふっくらとした甘い身からあふれる肉汁を感じる事ができる干物はおかずにもピッタリなのです。
塩に含まれるミオシンという成分によりたんぱく質が凝固され、必要以上の水分が蒸発する事を防ぐのです。
その為、食感は引き締まったふぐの身の食感を堪能する事ができます。
また塩には防腐作用もありますので、腐敗を防ぐこともできふぐ本来の食感を損なうことなく保存ができるのです。
捌いて一晩干す事で肉質は程よく柔らかくなり、イノシン酸が増える事で、刺身で食べるのとは全く違う美味しさが堪能できるのです。
あまり塩を掛け過ぎると、塩辛くてかないませんので、適量にふりかける事で美味しくなっています。
■一夜干しの食べ方
一夜干しは美味しいらしいからと言って購入したものの、食べ方が良くわからないという方も実は多いのではないでしょうか。
焼いて良いのか、油で揚げて良いのか、鍋などで煮込んで良いのかわかりませんよね。
実はふぐの身には他の魚と違い癖があまりありませんので、色々な料理との相性が良いのです。
身もしっかりしていますので、いい感じに食感も残りますので、どのような食べ方をしても美味しい食材と言えるでしょう。
そんな一夜干しの食べ方の中からおすすめの食べ方をご紹介しましょう。
実はこのふぐの一夜干しですが塩を振って干してあるため、ただ焼くだけでも美味しく食べる事ができるのですが、ただ焼くだけでは勿体ないような気がしますよね。
そんな方におすすめなのが、醤油焼です。
レシピとしては、まず醤油を全体につけます。
その後一味唐辛子を軽くまぶしましょう。(あまりまぶすと辛くて大変ですので適量で)
最後にこんがり焼いて焦げ目がついたら出来上がりです。
他にも、使い方は多く、例えば身をほぐしてチャーハンに入れても美味しいですし、
少しもったいないですが、鍋の中に入れても良いでしょう。
しかしやはりおすすめは、ご紹介したように焼です。
焼くことでふぐ本来の食感や、風味を味わう事ができますので、是非焼で食べてみてはいかがでしょうか。
焼くことでパリッとした食感と、素材の本来の味も楽しめる調理法ですよ。
■一夜干しは保存の知恵
昔の日本は、今のように流通が盛んではありませんでした。
そこで、食べるものと言えば地産地消のような状態でしたので、島に住む人たちは、大量にとれた時の保存法に干物などの食べ物を考え出したと言われています。
そんな中で一夜干しは、ふぐ本来の食感を残し、長く保存をできる方法として考え出されたのではないでしょうか。
されに奈良時代には、税金の一種として徴収されていたので、漁獲されたままのふぐをそのままにしておくと運搬途中で腐敗してしまうので一夜干しや干物は当時の人が編み出した生活の知恵なのかもしれませんね。
■ふぐは自分で捌かない
一夜干しを食べて美味しいなと思われる方は多いかと思います。
それはとてもうれしい事なのですが、ふぐには冒頭にもお話したようにふぐには猛毒があります。
この毒は、天日干しをしても一夜干しをしてもなくなる事はありません。
また、熱により解毒されることもありませんので、焼いたら大丈夫だとか干したら大丈夫だとか言う話は信用しないようにしましょう。
自分で釣り上げたふぐを一夜干しにして、食べるような事は絶対にしてはいけません。
確かにふぐは高価なので、自分で捌いてしまいたい気持ちはわかります。
しかし、中毒症状になってしまい病院代を考えると、お金を払ってでも食べた方が安いのかもしれません。
どんなに美味しい物でも命に代える変える事はできませんので、美味しく安全に食べる事を心がけてくださいね。