ふぐと言えば、皆さんはどんなふぐを思いうアベルでしょうか。
釣り好きな方であれば、くさふぐやショウサイふぐ、カナトふぐ(しろさばふぐ)を思い浮かべられるのではないでしょうか。
日本食においてふぐというと、基本的にはとらふぐを指す事が多く、今回もとらふぐについてお話をしたいのでとらふぐを思い浮かべてくださいね。
とらふぐと言えば、言わずとも知れたふぐ界の王様で、かなりの高級魚です。
そんなとらふぐですが、基本的には漁ができるのは9月から4月頃までです。
この頃には、下関などで初競りが行われたり、ふぐの供養祭が開催されるなど、ふぐ漁の開始や終了を全国に知らせる催しが開催されます。
しかし、最近ではふぐ料理を一年中食すことができる様になっており、食べたいときに食べる事ができます。
これは、養殖によるものなのですが、この養殖ふぐを生産しているのは国内の業者だけだと思っていませんか。
実は、養殖のふぐは国内外で生産する事ができる為、国外でも養殖をされているのです。
その為、ふぐにも国産と輸入がある為、しっかりとした知識が必要だと言えるのです。
そこで今回は、国内の養殖ふぐと国外の養殖ふぐについてご紹介します。
■国内の養殖状況
国外からの養殖ふぐが輸入されているという事をご説明する前に、まずは国内の養殖状況をお話しなくてはいけないでしょう。
国内でふぐを養殖しているのは、有名どころで言うと栃木県の那珂川町の温泉とらふぐです。
このとらふぐは、海ではなく山の中での養殖をされている事から、海水の代わりに温泉水を使用して養殖をされています。
ですので、この温泉とらふぐは基本的には無毒と言われています。
というのも、基本的にはふぐは食物連鎖の過程で体内に毒を蓄積していくのですが、実は体内に生息する寄生虫などにも有効で、ふぐの体を守ってくれるものでもあるのです。
しかし、海からは遠く離れた山の中で養殖をされている事から、寄生虫の被害も毒を持つ貝類の侵入もない為完全に無毒のふぐとして生産をされているのです。
このほかに、佐賀県のふぐも無毒として有名なのですが、佐賀県の無毒ふぐは、肝(肝臓)まで食べる事ができるとして、キャッチフレーズを付けたかったのですが、国会において養殖ふぐであっても肝を食す事は危険という事から、却下されたという経緯を持て要る養殖のとらふぐです。
実はこのとらふぐを、使い町興しをするため開発したもので、現在は、肝は食せませんが、無毒なふぐとして売り出しているのです。
その他にも、海上での養殖という物が多いようです。
そんなとらふぐの養殖は海上で行うと漁業権が必要なのと、貝類の侵入などの壁はありますが、国内でも順調に増えているのが現状の様です。
■養殖のとらふぐを作っているのは河豚の母国
ふぐの事を感じで河豚と書きますが、これは中国の河に住んでいるふぐから来ています。
そんな河豚を食べる習慣が中国にもあったのですが、やはり毒がある魚なため、中国政府がふぐを食べる事を禁止しており、養殖する事は可としていました。
その為、中国ではふぐの養殖が盛んにされており、これまで輸出や闇市場での提供により事業を維持していたのです。
今後は中国国内でも条件付きで、ふぐを食べられるという事に2016年からなりましたので、中国からの養殖ふぐの輸出は減るのかもしれません。
しかし、今まで中国の輸出マーケットは日本であり、今後また中国国内でふぐが食せない状況になると日本への輸出の強化が始まる可能性も多いようです。
何かと食品の偽装問題が浮上している中国産の養殖ふぐが、店頭に並んでいるという恐怖があるという方がいらっしゃるかもしれませんが、さすがに養殖という分野において、人体に害のあるものを与えるとふぐが死んでしまう為、売り物になりませんから、大丈夫ではないかと思います。
しかし、それでも心配だという方は、しっかりとどこで養殖をされたふぐなのか、若しくはどこで水揚げをされたふぐなのかを確認して、購入すると良いでしょう。
■養殖ふぐは美味しい?
おそらく、天然物ばかりを食べている人の話を聞いていると、養殖物は身が柔らかくて歯ごたえが無いから美味しくないという話を聞いた事があるかと思います。
しかし、養殖ふぐなのか天然ふぐなのかは、それ単体で食べても良くわからない事が多く、基本的には、養殖ふぐはと言っている人は、お店からの養殖という情報ありきで話している事が多いと思います。
というのも、養殖のふぐにもしっかりと歯ごたえはありますし、基本的にふぐには味があまりありませんから、食べても「美味い」とは思っても、よく考えたら味はポン酢の味なんですよ。
ですから、不味いと思う事はまずありえないと思うのです。
確かに天然のふぐはやや白っぽい感じはありますが、基本的には違いははっきりしませんので、「これは養殖のふぐだ」と断言できる方は少ないのです。
この様に、国内外で多く養殖されているふぐですが、天然物と変わらないくらいの美味しさがありますので、一度食してみてはいかがでしょうか。