ふぐの調理法
高級魚として名高いふぐですが、身の淡白な旨みとは裏腹に猛毒を持っている魚でもあります。
そんな毒を持っているふぐですので、ふぐを調理するには資格が必要ですし、資格習得にも2年間実務経験を経て、資格試験に合格しなければ資格の習得はできません。
今回はそんなふぐの調理法をご紹介いたします。
但し、今回ご紹介する内容は全貌ではありませんので、この調理法で調理をすると間違いなく危険ですので、真似をしないでください。
■ふぐの調理の手順
ふぐは基本的に生きている物を使用しますので、包丁の峰で眉間を叩いて気絶させます。
包丁を入れる順番としては、背ビレを切り取り、左右の胸ビレを落として、最後に尾ヒレの順に切り落としていきます。
目の手前あたりから頭の左右から切り込み、平らに置き上方向から切り回して、頭部を切り落とします。
この状態にした後に皮を剥ぎ、カマとオサの処理をして、エラの部分を掴み内臓を引き出します。
■ふぐは皮の処理が大変
ふぐを調理する際に大変なのが皮の処理です。
しかし、皮は綺麗に処理をすると、とても歯ごたえが良く、美味しいため重宝されています。
カワハギなら簡単に剥ぐことができすし、鯛ならば平面なので剥ぎ易いですし、湯引きや、炙りで皮も食べられますので、皮にはあまり気を使いませんよね。
しかし、ふぐの皮はというと、平らではなく、なかなかに歯ごたえが良いため、身に残すと刺身が台無しになってしまいます。
その為、黒皮(背皮)と白皮(腹皮)に分けて皮を剥いでいきます。
更に、ふぐの皮は3層構造になっていますので、内側の粘膜であるとうとう身を剥ぎ、それをまな板に貼り付けて外側のとげのある皮を削ぎ取ります。
三層構造のもう一つは身に付いている身皮ですので、皮にはついていませんが、剥がした皮を2つに分離するのも素人には大変難しいです。
この分離させた皮を湯引いて水に晒して刻みポン酢をかけたものをポン酢でいただいても絶品ですが、煮凝にしても美味しいですよ。
切り落としたヒレは、余分な肉を切り落とし、塩磨きをして乾燥させます。
これを炙り、ぬる燗に入れるとふぐ酒ですね。
■ふぐの内臓の処理
取り出した内臓には猛毒のテトロドトキシンが含まれていますので、これを食すと大変危険です。
また、ふぐの血液にもテトロドトキシンは含まれていますので、血合いが身に残っていても、身が有毒になってしまします。
そこで、ふぐを調理する際には、とにかく水洗いを丹念に行います。
そして、内臓はというと、有毒部分を選り分けて他の容器に入れておきます。
選り分けておくことで、捨てる際の捨て忘れや、取り出し忘れを防止できます。
また、間違えてもふぐの肝は食べないようにしましょう。
肝には猛毒がありますのでとても危険ですし、毎年中毒者が出ています。
肝臓には猛毒があるという話は今や当たり前の世の中なのですが、個体差などがあり、稀に大丈夫な場合があり、自称食通と言われる人達が無理にでも食べようとするようです。
命を懸けて食べるほど美味しいのか、今度食べてみようと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、絶対にやめてください。
稀に無理にでも食べてしまう方がいらっしゃいますが、自分の命が脅かされるだけではなく、周りの方に心配を掛けるだけではなく、必ず方々に迷惑が掛かる可能性があるので絶対に食べないようにしましょう。
更に、ふぐの内臓の処分方法は都道府県毎に条例で定められていますので、むやみやたらに生ごみとして、ごみに出す事はできませんので、注意が必要です。
そんな内臓にあって、かなりの美味なのが白子です。
しかし、雄にも雌にも白い部分がありますので、素人にはこれが白子だと特定するのはちょっと難しいでしょう。
誤って猛毒の卵巣を食べてしまうと大変ですので、やはり素人調理は危険だということですね。
■毒の危険を回避できる身欠きふぐ
そんな有毒で危険なふぐですが、身欠きふぐという有毒な部分を綺麗に取り除いて販売されているものがあります。
これは、可食部に身を販売してありますので、ご自宅で調理して食す事ができます。
ふぐは少々刺身にする際には難しいのですが、ご自宅で食べたい方にはお勧めですよ。
■命は大切に美味しいふぐを
今回はふぐの基本的な調理法をご紹介しました。
今回ご紹介した方法はふぐの調理法の中でも、ざっくりとご紹介させていただいたものですので、これを読んで自分で調理する事はとても大変です。
またふぐを調理しても良いとされている場所は条約によって定められていますので、おそらくご自宅で、天然のふぐを調理してしまうと条例違反として処分の対象になる可能性がありますので、ご自宅などで調理はできないといのです。
このようにふぐには毒があり、処理の方法や、調理できる場所が条例で定められていますので、お取り寄せや、ふぐ専門店でふぐを堪能してください。
危険を冒して食べるのは確かにスリルがあり、そのスリルがより美味しく感じさせるかもしれませんが、命より大切なものはありませんよ。