ふぐ料理をフルコースで食べたい!!そう思っている方も少なくはないでしょう。
しかし、フルコースでというとかなりの金額になってしまう為、なかなか日ごろ食すという事はおろか、家族で食べに行くという事も難しいという方は多いはずです。
そんな方たちの中には、釣りが上手な方もいらっしゃるでしょうから、ふぐを自分で釣って食べるという方も少なくはないでしょう。
また、ふぐは高級料理としてとても有名ですから、ふぐ調理師の資格を持っていないにも関わらず、ふぐ料理を提供しようとするお店もあります。
そのような場所や方法でふぐを食べてしまうと、とても危険だとはわかっていますが、素人料理は安い料金でふぐを食べたいという気持ちの方が勝ってしまいますし、お店で提供される場合には、そのお店の店主がまさか無資格だなんて見抜く事はできませんよね。
しかし、ふぐの危険性というのは素人調理であっても、無資格で今まで提供を続けてきたお店であっても、同じくらいの危険性がありますから、消費者としては迷惑極まりない話だと言えるでしょう。
このように、ふぐを無資格で提供するという場合には、提供者側には何も罰則などは無いのでしょうか。
そこで今回は、ふぐを無資格で提供してしまった場合に考えられる罰則についてご紹介します。
■無資格で提供する際のリスクとは
ふぐの調理法を知らずに無資格でふぐ料理を提供する場合には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
基本的に無資格でふぐ料理を提供する場合には、ふぐ毒によって食べた人が最悪の場合亡くなってしまう可能性があります。
ですから、自分が提供した料理によって、人を殺してしまうというリスクがありますし、もしも亡くならなかったとしても、入院は免れませんので治療費などの負担はどうしてもありますので、金銭的なリスクはどうしても避けられないと言えるでしょう。
例えばこれが、お店でなくても同様で、例えば釣り仲間でふぐを釣り捌いて食べたとしましょう。
間違いなく捌いた人の責任になりますし、捌いた人も一緒にふぐ毒にあたっていたとしても、他の人の治療費などを負担しなければならない可能性はあると言えるでしょう。
■ふぐ調理師資格を持っていなくてふぐ料理を提供すると
ふぐ調理師資格を持っていないのにふぐを提供してしまうと、どのような事が起こるでしょうか。
ふぐを無資格で提供したことで、ふぐを食べた人が亡くなった場合には、業務上過失致死罪が適用されてしまう可能性がありますし、仮に亡くならなかったとしても、業務上過失傷害罪が適用してしまう可能性はあると言えるでしょう。
その他にも、食品によって引き起こされる事ですし、その食品を取り扱う際に必要な資格を持っていないという事は、必要な手順を踏んでいないという事になりますので、食品衛生法違反などの罪に問われてしまう事は避けられないと言えるのです。
またもしも、その調理をしたふぐが危険だとわかっているうえで提供しているのであれば、殺人罪に問われてしまう可能性もある為、ふぐ料理の無資格提供は、とても危険で重い罪になる可能性があると言えるのです。
■昔からふぐに関しては厳しかった日本
ふぐの無資格提供に対する処罰が厳しいと感じた方も少なくはないかと思います。
しかし昔から日本ではふぐに対する処罰は厳しい物で、江戸時代などにおいては家禄取り潰しなどが行われるなど、大変厳しい除伐がされていました。
そんなふぐですが、昭和の時代には落語家の坂東三津五郎が、ふぐの肝を無理にふぐ調理師に提供をさせたのです。
ゆうに4人前のふぐ肝を平らげた坂東三津五郎は、テトロドトキシンによる中毒を起こし死んでしまいます。
この事件で、坂東三津五郎が無理やりふぐの肝の提供をさせたにも関わらず、ふぐ肝を提供したふぐ調理師は、その後刑事裁判を行い、有罪の判決が出ています。
ふぐの肝が危険だとわかっていて提供した事が、この調理師の過失として業務上過失致死罪及び京都府条例違反で執行猶予付きの禁固刑が出されたそうです。
ふぐ肝の危険性を知っていながら提供させた三津五郎が悪いようにも思えますが、それを無理にでも提供してしまったふぐ調理師にも確かに責任はあったという事なのです。
■ふぐは絶対に素人調理で提供しない
このようにふぐの提供によるリスクは高いと言えるでしょう。
ですから、もしも自分で釣ったふぐを食べる際にも自分のふぐに当たる分は100歩譲ってよしとしますが、他人に提供して危険を共有するという事はしない様にしなければならないでしょう。
もしもふぐをご自宅で、みんなで食べたいという場合には、取り寄せという方法を利用すると、お店で食べるよりも安く食べることができますので、利用してみてはいかがでしょうか。
お金を払って安心、安全に食べることができるのであれば、そちらの方が変な心配やリスクは無くなりますので、利用してみましょう。
ふぐを食べるのに、命を懸けるなんてもったいないですよ。