皆さんは海上養殖という言葉をご存知でしょうか。
海の湾になっている場所に、生簀を浮かべて会場で養殖をすることが、文字通り海上養殖という物です。
海上養殖では様々な魚が養殖をされていますが、高級日本料理の食材でもあるとらふぐもこの海上養殖によって、養殖をされているのです。
海上養殖の利点としては、水が常に入れ替わる為、水にコストが掛からない事が挙げられるのです。
また養殖のふぐというと最近は、無毒という物が有名になっていますので、養殖ふぐ=毒がないと思ってしまいがちなのですが、海上養殖においては、水質や餌などの管理が難しいため、無毒のふぐを作る事は不可能に
近いと言われています。
その他にも海上養殖には問題があるのですが、その問題というのが、赤潮の問題なのです。
そこで今回は、海上養殖の問題点である赤潮についてご紹介します。
■赤潮とは
皆さんは、海面が赤く濁っているのを見た事があるでしょうか。
特に温かい夏場に起きやすいのですが、通常は澄んでいて綺麗な海なのですが、夏になり暖かくなると海面が赤く濁り始めます。
これを一般的に赤潮と呼ぶのですが、この赤潮の原因は何かご存知でしょうか。
赤潮は植物プランクトンが大量発生する事によって海水の色が、赤褐色などの色に変わってしまう事なのです。
また、赤潮によって緑色になるものをアオコとも呼ばれます
昔からこの赤潮という自然現象は起きていたようなのですが、近年この赤潮が大量に「発生する事で、漁業被害をもたらすなど、大きな社会問題の一つとなっているのです。
この赤潮ですが発生しやすいのは、植物の栄養となる窒素やリンが大量に溶け込んでいる海水に多いのです。
さらに最近になってわかってきたことが、養殖をしている湾というのは、赤潮の発生が「多くなっているようです。
というのも、養殖をしていると、生簀内の魚に餌を与えますから、勿論海にいる生物以外の魚の死骸などが増えます。
またそのようなエサを魚たちが食べ残すことで、腐敗した餌が海中にたまりやすくなってしまい、結果植物の栄養となる窒素やリンといった物質が餌から溶け出してしまうという事が起きてしまうのです。
赤潮は苦潮、腐潮、厄水などと言われ、死をもたらす潮として有名です。
■赤潮の発生する原因は豊富な栄養
基本的に温暖化や、海水の汚染が原因だと言われている赤潮ですが、実は栄養が豊富な海域でも発生するようです。
というのも、陸上の事を例にして考えてみると分かりやすいのですが、基本的に植物というのは、良く超えた土地で多く育ちますよね。
これを海に置き換えてみると、豊富な栄養がある水というのは、良く肥えた土地と同じなのです。
そのため、栄養豊富な海域では通常よりも多くの植物プランクトンが発生してしまう為、赤潮になりやすくなってしまうのです。
特に川などの流れ込みのある場所などに多く発生するのは、このためなのです。
というのも、川には最近では、生活排水は流れ出しにくくなっていますが、それでも少なからず生活排水という物は流れています。
その生活排水は、海のプランクトンにとっては、ご馳走ともいえるものなので、川の流れ込みでは多くの赤潮が発生するのです。
この赤潮によって発生したプランクトンのおかげで、水中の酸素濃度が減ったり魚のエラにプランクトンが張り付いたりすることで、魚は呼吸をできなくなって死んでしまうのです。
また、プランクトンの中には強い毒性を持った種もいる為、そのようなプランクトンを食べた魚が死んでしまうという事例が発生してしまいます。
■なぜ養殖の魚に甚大な被害が出るのか
赤潮の発生で魚たちの生活が危険になるという事はお分かりいただけたでしょうか。
凍赤潮の影響を受けやすいのは、養殖業だと言われています。
その理由は、養殖の魚というのは、生簀の中で生活をしていますので、赤潮が発生した生簀の中は低酸素状態になってしまうのです。
そうする事で、生簀内の魚は酸欠状態になってしまい、結果窒息して死んでしまうのです。
ではなぜ、自然界では赤潮が起きても魚が死なないのかというと、自然界の海では赤潮が発生しても、魚は赤潮が発生していない海域へと逃げることができますよね。
確かに、赤潮が発生すると漁獲量は減ってしまいますが、赤潮が発生していない海域では、問題なく漁ができるのです。
これが、生簀内の養殖魚と天然の違いであり、赤潮に養殖業が左右されてしまう理由なのです。
このように、赤潮は養殖業界に大きな損失を与えてしまいます。
それはとらふぐの養殖にも言えることなのです。
とらふぐの養殖もほかの魚同様に生簀によって行われている為、急激な赤潮の発生はとらふぐの大量死を引き起こしてしまう可能性があるのです。
そうする事で、安定供給ができなくなってしまうので、養殖とらふぐの値段も必然的に高騰してしまうのです。
赤潮の発生は、家計への被害ももたらすという事ですよね、
いつまでもおいしいとらふぐを、食べることができるように、自然を大切にすることが求められているという事なのです。