日本では古くよりふぐを食べる食文化がありました。
そんなふぐ食の文化の中で、現在のふぐ食の安全性が確保されてきたと言っても過言ではないでしょう。
そんなふぐ食文化の発展の中で、多くの人々がふぐの持つテトロドトキシンの犠牲になってきたのは言うまでもないでしょう。
しかしこの犠牲になった人の中には、ふぐの肝を食べて亡くなったという方も少なくはありません。
ふぐの肝はふつう食べないだろうという人も居らっしゃるでしょうが、昔はふぐの肝まで食べる人が多かったのです。
ふぐの肝を食べていた理由としては、魚の肝は基本的に美味いという考えがあったからでしょう。
実際にふぐの肝を食べた人の中には、毒に当たらなかった強運の持ち主もいたようで、ふぐの肝は食べても大丈夫で美味いと話していた人も中にはいたようです。
そんなふぐの肝ですが、ふぐの体内で最も猛毒になってしまう部分だと言われており、食べるのはとても危険な部分だとされています。
その為現在はふぐの肝は流通させる事は勿論、食用として提供する事は禁止されています。
そんなふぐの肝を提供するお店が昔は在ったようですが現在はどうなのでしょうか。
今回はふぐの肝が提供されている可能性についてお話ししてきます。
□ふぐの肝を提供していたのは大昔の話ではない
ふぐの肝を提供していたと言うとなんだか大昔の話の様に感じるという方も多いのではないでしょうか。
しかし実はふぐの肝を提供していたのはそんなに昔の話ではないのです。
特に懇願すると提供してもらえていた時期もありますので、昭和の時代では提供をしていたという時期もありました。
では最近ではどうかというと、2016年にふぐの肝を提供したとして8人が逮捕されるという事件が起こっています。
これは大阪府での話で、会員制のふぐ料理屋においてふぐの肝を提供していたのです。
この店には有名スポーツ選手も訪れていたとされていますので、もしかしたら有名スポーツ選手の中にもふぐの肝を食べた人が居たのかもしれませんね。
ふぐの肝を提供していましたが、ふぐの肝の毒によって犠牲者が出るという事は無かったようですので、これは非常に運が良かったとしか言いようが無いでしょう。
というのも、歌舞伎役者の8代目坂東三津五郎もふぐ肝で命を落とした人の一人なのですが、この時三津五郎は3人分のふぐ肝を食べていたとされています。
それが原因で三津五郎は命を落としたとされているのですが、基本的にふぐの肝に含まれる平均的なテトロドトキシンの量から考えると、10gほどのふぐ肝があると人を死に至らしめることができるとされており、とても危険な部位なのです。
□ふぐの肝を食べても平気は運が良いだけ?
稀にふぐの肝を食べても大丈夫だったという方もいます。
ふぐの毒であるテトロドトキシンは非常に強い神経毒ですから、通常は少し食べただけで命の危険があるほどです。
そんなふぐの肝を食べてもなぜ平気だったの?と思う方も少なくはないですよね。
実はふぐは自分の体内でテトロドトキシンを生成するわけではありませんから、ふぐの生息している海域の違いや餌の違いによって毒の強さが違うとされています。
このためにたまたま毒の弱いふぐの肝を食べた場合には、何ともなかったという事が起こってしまうのです。
つまりふぐの肝を食べても何ともなかったというのは、食べた人が他と違う訳でもなく単にふぐが持っている毒が少なかっただけなのです。
ですから次の時には命を落としてしまう可能性もあると言えるでしょう。
因みにふぐの持つテトロドトキシンには、解毒剤も現在はまだ用意されておらず中毒になってしまった場合には、病院に運ばれても胃の洗浄や人工呼吸器の装着など命を繋ぐための処置はしてもらえますが、根本的な治療法が確立されていない為に、命を落としてしまう可能性も大きいと覚えておきましょう。
ふぐを食べて何もなかったは運が良く、運ばれて病院で回復できるのも運が良かっただけですよ。
□ふぐの肝を食べたくても我慢が大切
現代社会においてもふぐの肝が提供されているという現実に正直驚いたという方も多いのではないでしょうか。
提供するという事は需要があるという事です。
どんなに食べたくても危険な物は食べない、お店にリクエストしないという事が大切です。
少々悪質なお店であれば、懇願し続ければふぐの肝を食べさせてくれるという事があるかもしれませんが、それは自分の命を危険に晒す行為だと覚えておきましょう。
またお客側が懇願してふぐの肝を提供させたとしても、責任を取るのはお店側です。
最悪の場合お店の関係者全員が、逮捕されてしまうという事態にもなりかねないのです。
そうなってしまうと、一人の好奇心によって多くの人に迷惑を掛けてしまう事になるわけですから、危険だと去れているふぐの肝を出してほしいとお店にお願いする事はしてはいけません。
家族や大切な人に心配を掛けたくなければ、安全な部位を食べる事が大切だと言えるでしょう。