最近はふぐを食べたいと思った時には、養殖のふぐがある為、いつでも食べる事ができます。
しかし、一年間ふぐが流通している為忘れてしまいがちですが、ふぐには旬があり、禁漁期間があるのです。
そんなふぐ(とらふぐ)の禁漁期間は5月から8月いっぱいと言われており、この期間はふぐ漁をされてはいないのです。
ですから、基本的にこの期間に食すことができるふぐというのは、養殖のふぐであるという事なのです。
確かに、天然物を生簀に入れていたという事も考えられますが、生簀に入れた時点で養殖という所で考えていただければと思います。
そんなふぐですから、9月になるとふぐ漁が一斉に開始され、ふぐの水揚げ量日本一の下関市の南風泊市場ではとらふぐの初競りが開催されるのです。
■南風泊市場とは
南風泊市場は、下関市にある日本で一番ふぐの水揚げがされる事で有名な市場です。
下関と言えば唐戸市場と思う方も多いかと思いますが、南風泊市場も基本的には同じような場所にあります。
しかし、唐戸市場とは分離がせれており、この南風泊市場で競りに参加できるのは、下関唐戸魚市場仲卸協同組合の組合員である28の業者の身なのです。
尊南風泊市場ですから、古くからふぐのブランドを守り抜くために、他の業者をシャットアウトしているのです。
またここで、取り扱われるふぐには、「下関ふくシール」が本物の証gあ貼り付けられ得ているなど、「下関ふぐ」には仲卸人のこだわりが詰め込まれているという事がよくわかるのです。
■開場時間は3時20分
基本的に初競りは、9月の中旬ごろに開始されます。
その時ばかりではありませんが、競りが始まるのは3時20分からとなっており、この時間になるとベルが鳴り始めます。
そうすると競り開始なのですが、競り人の「ええが!ええが!」という威勢のいい掛け声とともに競りが始まります。
ここ南風泊市場では、仲買人が筒状の袋の中で競り人の指を握って買値を示す、「袋競り」という独特の方法で競りが進められ、水揚げをされたふぐが次々と競り落とされていきます。
最初に天然物のサリが終わると次に養殖物の競りが開始されるという順番になっていますので、後半は前半よりも値段が跳ね上がらない様です。
■ふぐの初競りの金額ってどれくらい・
ふぐは高級食品ですから、競りの金額も勿論高いのですが、金額的にはどれくらいだと思いますか。
実は2000年よりこちらは、ふぐの初競りの金額は2万円を切って1万6千円ほどと落ち込んでいたのです。
この為ふぐ漁がやや廃れた感じになってしまった地域もあるようですが、2015年に2万4千円を記録し、ふぐの金額の回復が喜ばれたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
基本的に2万円を超えると、初競りとしては良い値段として喜ばれるのですが、やはりこの競りには、世の中の景気なども影響をしてきますので、競り人も仲買人もリスクを背負ってその場に建っているのです。
■安定した相場で供給したいというのが、本音
やはり、市場側の思いとしては、食べてくれる消費者への安定した価格での供給をしたいという思いが強いようです。
というのも、基本的に初競りで高値がつくのには、仲買人の消費の見込みが左右される為、市場の気持ちは反映されていないのが現状です。
この消費の見込みがある場合には仲買人も強気の入札ができるという印場がある為の様で、実はイレギュラーな物なのかもしれません。
このような高値を付けなくても、消費者への安定した価格での提供をする事で
利益を出せる事が良いのかもしれません。
ちなみに南風泊市場での初競りの最高額はというと、1990年代の3万円の値段が付いたのだとか。
そんな高いふぐが仲買人から料亭へ提供され、私たちの口に入るころにどれくらいの値段になったのかと思うとゾッとしますよね。
ですから、本来であれば2万円前後もしくは1万円代での取引が、私たち消費者には嬉しいのかもしれませんね。
■初競りはニュースでも取り上げられる事も
基本的にふぐの初競りはふぐシーズンの始まりを日本中へ知らせる風物詩となっていますので、テレビなどで放送される事もあるようです。
そんなニュースが流れると、多くの人々がふぐを食べに下関市を訪れる様になるのです。
そうする事で、市場にも街にも活気が満ちてきますので、街が元気づいてきます。
初競りの金額を聞いて高いと感じても最終的には、普段の値段くらいまで落ち着きますので、2月や3月頃に休暇を取って家族でふぐを食べに下関へ行ってみるのも良いですよね。
しかし、行く時間が無いという方には、ふぐを発送しているお店もありますので、インターネットから注文してみてはいかがでしょうか。
ふぐはどこのふぐも同じと思われるかもしれませんが、下処理の仕方によって、十分違いが出る魚ですから、下処理業者が古い昔から多く存在している下関で水揚げをされたふぐを食してみてはいかがでしょうか。