ふぐの体内には猛毒があるという事は多くの人が知っていますよね。
そのためふぐを捌く際には。内臓を取り除き除毒を行います。
しかし内臓に毒があると知っていながら素人調理によってふぐを捌き食べてしまう人があとを絶ちません。
そんな素人調理によってふぐを捌く場合によく間違えてしまう部分が卵巣と白子だと言われています。
ふぐの白子には非常に多くの栄養が含まれているため、滋養強壮に良く
また美味とされており、旬の時期の肥大した白子はふぐ本体よりも高価な金額で取引されています。
それとは逆に卵巣にはかなりの毒が蓄積されており、食べると非常に危険だと言われています。
この二つの部位は色がやや似ており、素人には識別する事が難しいものになっています。
今回はこの白子と間違えてしまう卵巣の危険性についてご紹介します。
□ふぐの内臓の中で危険とされている卵巣と肝
ふぐの有毒部位の中でも飛翔に危険だとされているのが、卵巣と肝です。
肝は食べた栄養をしっかりと蓄積する機能を持っている部分ですので、テトロドトキシンを多く蓄積していても不思議ではありませんよね。
ではなぜ卵巣は危険な部分なのでしょうか。
それは子孫をしっかりと残すためだと言われているのですが、卵巣は言ってみれば卵が成長する部分ですよね。
例えばこの部分に毒が無ければ、他の魚がふぐの卵だけを狙って捕食してくる可能性もあります。
他の部分に毒があるのだからそれは無いでしょうという人も居るかと思いますが、実勢に魚の卵を狙う魚は多く、卵は栄養の塊ですので非常に狙われやすいのです。
そのため他の魚に卵が狙われないように有毒な部分でも、非常に強い毒を有する部分になっているのです。
ではなぜ白子はそれほど有毒ではないのか?と言われそうですが、白子の場合には基本的にその場所で成長するものがなく、狙われる可能性が低いからだと言えるでしょう。
またふぐの卵巣を有毒にしておくことで、産卵した時点で卵を有毒化する事ができますので、やはり子孫繁栄の手段だと言えるでしょう。
ふぐは生まれたばかりでは無毒だと言われていますが、卵を食い破る為若干のどくを有している可能性もあるようで、その後に成長するまでは有毒な生物を食べないために無毒化するようです。
しかしこの卵巣の毒はかなり危険だと言われているのですが、日本ではこの卵巣を郷土料理として食べる地方も存在します。
□卵巣を食べる
東北ではふぐの卵巣を食べて居る地域があるのですが、糠漬けにして食べられています。
着けにして数日で食べられるわけではない様で、しばらく漬けておくとどういう訳か猛毒であるふぐの卵巣から毒素が無くなってしまうのだとか。
これは保存食として昔から食べられていたようなので、古い時代には多くの家庭で作られていたようでうが、現在は有毒部分の流通が禁止されているため、許可を得た業者の間でしかレシピは知られていない様です。
□ふぐの卵巣と白子が一緒になっている事がある?
実は素人がふぐを捌いて白子を食べるという事がとても危険なのにhあ他にも理由があります。
どのような理由かと言うと、ふぐの中には稀に卵巣と白子を両方持っている個体がいるため、この見分け方が難しいのです。
この個体は数万匹に一匹だと言われていますが、その様な個体にあたらないとは限りませんし、もし当たっても食べられる部分として食べてしまう人も多いようです。
因みにこの卵巣と白子はくっついている事が多く、境界がどこかわからない事も多いようで、卵巣を食べてしまう可能性もあります。
更には卵巣と一緒になっているために白子が有毒化している可能性もある為、とても危険とされ、通常は廃棄される事が多いのです。
しかしそのような事を知らない人ならば卵巣側を除去したら大丈夫と判断してしまいそうですから食べてしまい中毒症状を引き起こしてしまうなんてことになってしまうでしょう。
□ふぐの毒は非常に危険
ふぐの毒であるテトロドトキシンは青酸カリよりも強く、850倍ほどの毒素があるとされています。
また長い研究をされている毒でありながら、毒の構造が全く分かっていない毒でもあり、解毒の方法はおろか、なぜ糠に漬けたら毒が抜けるのかさえも分かっていません。
そのため解毒剤もなければ治療法もわかっていない毒であり、仮に救急車で運ばれても病院では治療ができるはずもありませんので、応急処置として胃の洗浄と人工呼吸器による呼吸の確保がなされます。
なので、助かるかどうかは本人の運次第といったところでしょう。
もしも運が悪ければ死んでしまいますし、運が良ければ助かるといった状態ですので、医療が進化した現代においても稀に死者が出てしまう事があり、年間で1名程度の命がテトロドトキシンによって奪われています。
このように非常に危険な毒を含んでいるふぐの卵巣ですから、素人調理によって捌くと非常に危険です。
確かにふぐは高価ですがそれは安全を同時に購入していると考えると、安く思えるのではないでしょうか。
命に勝る欲求は存在しませんので、危険な方法でふぐを食べる事はしないようにしましょうね。