「毎年開催ふくの日祈願祭」
猛毒で知られるふぐですが、そんなふぐでも日本料理の歴史の中では重大な存在なのです。
そんなふぐ食の期限ははるか昔縄文時代にまで遡るのですが、現在のふぐ料理のもととなったのは、戦国から明治にかけての物だと言われています。
関西地方では、食して死ぬことがあるため「てっぽう」と呼ばれるなどあまりいい印象の無かったふぐですが、秀吉によって禁止令まで発令されてしまいます。
そんな禁止令が解除されたのは、明治になってからのことでした。
禁止令が出てからという物、武士はふぐを食すことができなくなり、町民たちの食べ物となっていたのでが、明治になり禁止令が解除されてからは、徐々に下関を拠点として、流通が良くなるにつれて、全国へとふぐ食文化が広がっていきました。
そんな中で、下関の水揚げ高は、他の県と比べるとした処理技術の高さもあり今でも全国一位を誇っています。
更に、下関周辺で漁獲されていなくても、下関で水揚げされ処理されると下関ふぐとして出荷されています。
下関というブランドがあればふぐも美味しく見えるもので、やはりブランド力の違いを見せつけられます。
そんな中ふぐの聖地ともいえる山口県下関市に置いて2月9日にふぐの祈願際が開催されているのです。
そこで今回は、そんなふぐの日祈願祭についてご紹介いたします。
■ふぐの日祈願祭とは
山口県ではふぐの事を珍しく縁起のいい呼び名で読んでいます。
それはどのような名前かと言うと、「ふく」です。
これは縁起のいい福に掛けた呼び名なのですが、ふく=2と9でふくですよね。
その為毎年2月9日をふくの日として、その日に祈願際を行っているのです。
そんなふくの日祈願祭ですが、漁期内の公開安全や豊漁、ふぐ業界の発展を祈願して行われているのです。
この祈願祭には毎年多くの水産業関係者から、ふぐ事業関連業者などが参加をしていて、業界人だけでも相当な人数なのですが、その他にも最近は観光客なども増えている為、毎年参列者は増えているようです。
■主催者は
このふくの日祈願祭には多くのふぐ関係業者から水産加工業者が多数参列します。
そんな大勢の参列者が参加する祈願祭の主催者は、やはり下関ふく連盟が行っており、このふきの日祈願祭の日には祈願終了後に、老人ホームなどへもふく鍋の差し入れを届けるのどの事も行われています。
正に福とふくを掛けた町おこしの1つといった物です。
■ふくの日祈願祭はどこで開催されているのか
ふくの日祈願祭は毎年2月9日に下関市南部町にある恵比寿神社で行われています。
奉納される物は天然のとらふぐで、毎年巨大なとらふぐが奉納されています。
■ふぐの漁獲量
最近では温暖化の影響なのか、とらふぐの水揚げも減少傾向にあるようです。
温暖化とは言いましたが、実は一概にそれだけではないともいえるのです。
というのも、最近は蜜蝋などのニュースが報道されたりもするのですが、他国による密漁や、乱獲と言った物が大きな原因なのでしょう。
昔は、下関に数多くのふく延縄漁船が存在していました。
それが現在では、漁獲量の減少などの原因から福漁船も減ってしまっています。
その様な事もふくの水揚げ量が減ってきている原因の1つなのかもしれません。
そんな、ふくの漁獲量が減少している現状を打開してくれる可能性があるのが、養殖のふく
です。
確かに、天然物と比べると歯ごたえや等若干の劣りはありますが、それでも養殖ものを単体で食べると養殖だとは気づかないほどなのです。
今後ふぐ業界がますます発展していけば、今は高価なふぐ料理でもっと安価で食すことができるようになるかもしれませんね。
■観光メインはふくの日祈願祭の後にも
ふくの日祈願祭だけを見学に行ってしまうと、なんだかあっけにとられら感じになってしまうかもしれません。
それは、祈願祭なので、やや厳かに執り行われると言った事が原因です。
そんなふくの日祈願祭ですが、実はその後のふくの日祭りへと繋がっていきます。
ふくの日祭りは2月11日の建国記念日に下関の南風泊漁港市場にて開催をされます。
このふくの日祭りは祈願祭とは違い盛大に行われる為祈願祭に比べると楽しめる催しが多いようです。
中でもふくの即売などのイベントや抽選会などは目玉で、観光客の方達にも大人気なのです。
このほかにも、ふぐを大切にしていきたいという下関の人たちの思いを知る事ができるイベントは一年中と言って良いほど開催されておりふぐの供養祭などのイベントでは放流などの体験もできるようになっているのだとか。
全てのイベントへ参加する事は、時間的にも経済的にも難しいと思いますが、ふぐの事をもっと良く知る機会として、下関とふぐの深関りを知る機会としても、一度イベントに参加してみてはいかがでしょう。
イベント参加時の注意としては、ホテルなどの予約は一年前から満室になっている可能性もあるため、早めに予約しておく事が大切ですよ。