ふぐの白子の栄養価
海外の人から見ると、日本人はなぜ毒なあるふぐをわざわざ食べるのだろうと思われているようです。
それもそのはず、ふぐには人間などあっという間に死んでしまうほどの毒があるのですから。
ふぐの毒は蓄積性の毒ですので体外から毒を摂取して蓄積しています。
ふぐの中には、皮膚、身、内臓と体の全てに毒を持つものと、とらふぐのように内臓と血液に毒を持つものとが存在します。
そんなふぐも、古くから日本の食文化とともに愛されてきた食材なのです。
最近では海外からの観光客が増えて、日本でふぐを食べて感動したなどの写真や文章をSNSなどにアップされている事も多く、徐々に日本のふぐ料理というよりも日本を代表する料理として世界に浸透しているように思えます。
そんなとらふぐですが、ふぐの中では王様と言われており、身の締りも他のふぐには劣る事はありません。
そんなとらふぐの白子も大人気の食材なのです。
白子本来の味を楽しめる焼、火を通す事でよりクリーミーさが増す天ぷらなど白子一つとっても食べ方は様々です。
そんな白子も、最近では養殖物が増え、昔からの乱獲の影響で天然のとらふぐの白子がなかなか手に入らず、産卵期前などの白子が最大限に肥大した時期には、ふぐ本体よりも高値で取引されています。
中には、本鮪の腹上と言われる大トロが取れる部分より高値が付くことがあるそうです。
そんなとらふぐの白子には多くの栄養価があるようなのです。
今回はそんなとらふぐの栄養価についてご紹介していきます。
■白子
ふぐの白子とはふぐの精巣の事なのです。
精巣なので雄にしかなく、とても貴重な食材です。
この雄からしか取れないというのがとらふぐの白子を高級食材へと押し上げている要因の1つでしょう。
また、これまで多くの自称美食家を名乗る人や、自他ともに美食家として認められている魯山人たちを唸らせてきたのも高級食材としての拍車がかかったのかもしれません。
そんなとっても高級なとらふぐの白子ですが、ビジュアル的には気持ち悪い部類に入るのではないでしょうか。
見た目を言葉で表すと、白いぐにょぐにょしたもので、なんとも手で持っておくにはあまりうれしくないかと思います。
また、白子とはふぐの精巣なのでその響きだけでなんだか気持ち悪く思えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、忘れてはいけませんそんな気持ちの悪い白子は、多くの美食家を唸らせるほど美味しいのです。
■白子には多くの栄養が
白子にはビタミンが多く含まれています。
中でもビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1が豊富に含まれています。
他の食材を比べてみてもふぐの白子ほどビタミンが豊富に含まれている食材は無いでしょう。
特にビタミンB12には神経細胞の核酸や精神の安定、集中力、記憶力を向上させる働きがあり、葉酸の働きを助ける酵素の役割もありますので、受験前の学生さんに多く食べて晩学に励んでほしい物です。
また、記憶力に関して言うと老化によって引き起こされる、痴呆予防などにも効果があるようです。
白子の中には、私たちのから出に欠かす事の出来ない栄養素が多く含まれているようですね。
しかし、白子は精巣です、精巣には子孫を残すために必要な栄養は勿論の事、エネルギーなども蓄えられています。
ですので、白子にはコレステロールが多く含まれていますので、白子の食べ過ぎには注意が必要です。
体に必要な栄養素が豊富だからといってたくさん食べ過ぎると、逆に体を壊してしまう可能性がありますので、適度に摂取していただきたいものです。
■白子の下処理は大切
そんな栄養満点の白子ですが、内臓の一種ですし精巣という特性上、血のめぐりが必要になる部分です。
その為白子にも、ふぐの血液が流れています。
人間でいう毛細血管ほどの物なのですが、血抜きの下処理をしなければ、いくら無毒で食べる事の出来る白子と言えど危険なのです。
なぜ危険かと言いますと、とらふぐの場合、先にもお話しましたが、皮、身、白子と可食部位はあるのですが、内臓と血液にテトロドトキシンという猛毒を持っています。
このテトロドトキシンという毒は青酸カリの850倍ほどの猛毒なため、たとえ毛細血管に残ったような少量であっても命の危険が伴います。
その為、下処理では、白子の血線と言われると頃に鉄串などで刺し傷を沢山作り、ボールなどに水を張りその中に白子を入れて血抜きをするのです。
この手抜きが上手くできていないと毒に当たってしまいますので、注意が必要だったりします。
そんな意外と危険な白子ですので、料亭などのプロの方々が作ってくれた白子料理を食すのが一番安全なのではないかと思うのです。
中には自分で捌くと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、素人の調理ほど危険なものはありませんので、今後はしないようにしましょう。
折角美味しいとらふぐの白子を食べるのであれば安全に美味しく食べていただきたいものです。