日本では普通に食べる事ができるふぐですが、海外に出ると国として禁止をしている場所があるなど、世界的な目で見てもふぐを食べるというのは少々クレイジーな事なのかもしれません。
しかしふぐを食べるというのは何も日本に限ったことではなく、世界中を見渡すと日本の他にもふぐを食べている国というのは存在しています。
日本にとってのふぐ食は文化の一部であり、長い年月の中で安全に食べる事ができるようになったのですが、日本以外のふぐ食国家では本当に安全か?という様な調理や制度が残っているのも確かです。
そんなふぐですが、刺身で食べるのが好きだという方や天ぷらや唐揚げなどの揚げ物、また鍋などに入れて食べる事が好きだという方も少なくはありません。
しかし火を通していれば何も怖くありませんが、生となると最近は寄生虫にやたらと敏感な方も多いですので、心配だからとふぐ刺しを食べないという方も少なくはないのではないでしょうか。
確かに刺身で食べる魚の中にも寄生虫がいて寄生虫の被害の報告という物は少なくはありません。
ではふぐもそんな魚たちと同じように寄生虫に関して注意が必要な魚なのでしょうか?
□ふぐ刺しに寄生虫は居るの?
結論から言うと、ふぐ刺しにおいて寄生虫の心配はまずいらないと言えます。
確かにふぐにもウミチョウ、ヒダビルといった吸血系の寄生虫という物は付いてしまいます。
それが原因で衰弱死や貧血などになってしまう個体もいますが、基本的にこれらの寄生虫はまず人の口に入る事はありません。
なぜならば、ウミチョウの場合にはエラの部分や腹部などに付着している事が多く、ヒダビルにしても皮膚に付着して吸血しています。
その為調理の段階で勿論取り除かれますし、目視でも完全に寄生虫の存在が分かってしまう為、しっかりと取り除かれてしまいます。
確かにふぐの血液を吸血しているのですからこの二つの寄生虫にはテトロドトキシンへの耐性があるでしょうし、体内に蓄積させている可能性が考えられますので、食べるのは危険ですが、しっかりと取り除く事は可能ですので、ふぐ刺しに付着した状態で提供されるという事はまずありえないのです。
□ふぐの危険性はあくまで毒
ふぐを食べるうえで絶対的に危険だと言えるのは、寄生虫ではありません。
なぜならふぐを刺身にする前の段階で、ふぐの寄生虫は発見されてしまう為消費者の口の中に入る事は無いからです。
特にウミチョウがエラに付着していて目視で確認できない状態でも、基本的にエラなどは取り除かれる部分ですので、消費者の手元に渡る心配はないのです。
その為ふぐを食べる上で絶対的に注意が必要なのは、ふぐの毒だと言えるでしょう。
ふぐの毒であるテトロドトキシンは、サスペンスなどで一度は耳にしたことがある猛毒の青酸カリの850倍もの毒素を含んでいる為、青酸カリも相手にならないくらいに危険な毒なのです。
そんな毒が付いていては刺身を食べた人が中毒症状から最悪の場合死んでしまう可能性すら否定できません。
実際に多くの日本人がふぐ食の歴史の中で、ふぐの毒によって死んでいます。
ですからふぐにおいては寄生虫よりも毒に注意をする事が大切なのです。
□ふぐの寄生虫や毒が怖い人は?
いくら寄生虫の心配はいりませんよと言ってもふぐの寄生虫が怖くて食べる事ができないという方や毒が怖くて食べる事ができないという方も少なくはないですよね。
そんな方はプロのふぐ調理師が捌いたふぐを食べる事をおすすめします。
ふぐ調理師はしっかりとした実技や学科試験の上で取得する事ができる資格ですので、言ってみればふぐのプロだと言えます。
そのような人が捌いたふぐであればしっかりと毒の処理も寄生虫の処理もされていますので怖がらずに食べる事ができるのではないでしょうか。
毒が怖いという方の中にはプロが捌いたふぐであっても怖くて食べられないという方も少なくはないでしょう。
そのような方でふぐを食べてみたいという方は、養殖の無毒とされているふぐもありますので、そのような物を調理してもらうという事も良いでしょう。
□素人調理は絶対に食べない
今回お話した話はあくまでもふぐ調理師免許を持っているプロの調理師が調理をした場合の話で、素人が捌いた際の話ではありません。
というのも、素人が調理をしたふぐを食べるというのはとても危険な事で、提供する事も禁止をされています。
例えばですが、素人調理によって提供されていたふぐ料理の中にウミチョウなどの寄生虫が混ざっていると、食べてしまう可能性はありますのでとても危険だと言えるでしょう。
さらに素人調理によって調理されたふぐはしっかりと毒を除去できない可能性という物もある為、絶対に素人調理で調理されたふぐを食べてはいけないのです。
自宅でふぐを食べたいと思った方は、取り寄せという手段もありますので今では簡単に自宅で安心して食べる事もできますので試してみてはいかがでしょうか。