とらふぐと言えば高級魚であるふぐ野中でも別格の、腸高級魚ですよね。
そんなとらふぐは今も昔も多くの人達や美食家に愛されている非常に美味しい魚です。
しかし近年では過去の乱獲などの影響により漁獲量が減ってきている為、執行錯誤の末にとらふぐの養殖を日本では成功させました。
かなりの時間と努力の結果ふぐの養殖が叶ったわけですが、美食家達は天然のとらふぐに対して養殖物は触感や味が落ちるなどと言いやはり天然物の方が美味しいというのが常識になっているようです。
確かに身の締まりは荒波に揉まれている天然物の方が比べて見ると良いようですが、単体で食べても正直天然物なのか養殖物なのかなんて事はほとんどわからないくらい大差がないと言えるのです。
そんな天然物と養殖物味や食感に若干の違いはあるようですが、その他で違いはあるの?と思い調べたところ、実は捌き方の難易度に少々違いがあるという事がわかりましたので、今回は天然のとらふぐと養殖のとらふぐではどちらが捌き易いのかという事をご紹介します。
□天然とらふぐの特徴
天然のとらふぐは捌く前の状態を見ると一目でわかるといわれているのですが、それは養殖のとらふぐにはない特徴があるからなのだとか。
それが歯切りの痕です。
基本的に養殖のとらふぐは歯切りを行いますので、歯の形が不自然であり天然物は綺麗になっているそうです。
またとらふぐは非常にデリケートなので、ストレスで噛み合いをしてしまう傾向から尾ひれの部分がギザギザとした形になっているなど、どこかしらに傷を持っている物が多くいるようです。
なので捌く人から見ると一目で天然物か養殖物かという事ははっきりとわかるようで天然物の場合には、慎重に捌いていくという方が多いようです。
なぜ天然物のふぐは慎重に捌くのでしょうか。
それはふぐが持っている最大の厄介な部分である毒が原因です。
最近では養殖のとらふぐは陸上養殖の物が多く、比較的毒が少ないもしくは無い物が多い為、ふぐを捌く際にも多少乱暴に扱う事ができるそうです。
しかし天然物のふぐには勿論猛毒とされているテトロドトキシンが含まれている為、乱暴には扱えず慎重に捌く必要が有るのです。
このような点からも天然物のふぐは捌くのが難しいという事がご理解いただけるのではないでしょうか。
しかし養殖物にも有毒なふぐはいるでしょう?と意見もあるでしょうから毒の有無でどちらが簡単なのかという事を決めるのは少し浅はかですよね。
天然のふぐは荒波に揉まれていますので、勿論身が締まっておりその身にも粘りがあります。
その為包丁に身が付きやすく切る際に少々切りづらさがある様です。
また骨の硬さも天然物の方が、栄養が豊富なのか、硬く少し包丁の角度を間違えて入れてしまうととても力任せでは骨が割れずかなり苦戦を強いられてしまうようです。
そうなってしまっては鮮度が落ちてしまうので、やはり熟練の技が必用になるよいうですね。
また鰭の付きかたも少し違うといわれており、養殖ふぐと比べると天然のふぐを捌く方がより難しいようです。
天然物には雑種も増えているようなので、その辺も捌くのが難しいといわれている要因の一つなのかもしれませんね。
□天然物が高いのは当たり前?
これまで養殖ふぐ並みに天然物も値段が下がらないかな?なんて思った事がある方も少なくはないでしょう。
しかし乱獲により数が減っている天然物でありながら、熟練の技がなければ本当に捌く事が困難な天然のとらふぐですからやはり養殖物とは金額に差が出て当然の事だと言えるのではないでしょうか。
味は本当に食べてみないと分かりませんので、正直個人的にはどっちでも良いかな?なんて思っているのですが、捌く側になると少しでも捌き易い養殖物の方が有り難いのかな?なんて思ってしまいますね。
□天然物も養殖物も処理は同じ
前述したように捌く際には養殖物の方が捌き易いようです。
しかし毒が無いとされている養殖物でも天然物でも捌いた後の内臓などは毒が有るものとしてしょりしています。
これは完全に無毒のふぐはいないという理由なのですが、しっかりとした安全対策をされた上で捌かれているふぐだからこそ、少し高い金額を出してでも食べたいと思う人が居るのかもしれません。
もしも自分でふぐを捌いてみたいという方がいたとしても、多くのサイトなどでは自己責任でと言っている事が有りますが、私は絶対にやってはいけないと言っておきます。
確かにだれにも迷惑が掛からないなら良いでしょう?自己責任でやれば良いでしょう?という気持ちは凄くわかりますが、ふぐを自分で捌き食すことで他人に迷惑が掛からないなんて事はあり得ません。
もしもそのふぐでふぐ毒中毒になってしまうと、医療機関や救急隊などに迷惑が掛かります。
回りの大切に思ってくれている人達を悲しませる事にもなってしまいます。
ですから絶対にふぐは素人が捌いてはいけないのです。