冬の味覚の王様ふぐ。
そんなふぐを余すことなく楽しみたいという人にオススメなのが、ふぐ酒(鰭酒)です。
普段お酒を飲んでいるひとの中には鰭酒のように缶を付けた飲み方は邪道だという人も少なくはありませんが、寒い冬に熱燗で鰭酒を作り身体を温めるというのはとても贅沢な事ではないでしょうか。
しかし鰭酒を飲んだことがある人ならば経験のある人も多いかと思いますが、鰭酒はフグの生臭さが酒の風味に混ざってしまい美味しくないという事がありますよね。
そんな鰭酒を始めての鰭酒で味わってしまうと、鰭酒は臭い物なんだと思ってしまうため、鰭酒が嫌いになってしまう事でしょう。
特に最近ではお土産用に乾燥した鰭が販売されていますので、簡単に自宅で鰭酒を作って飲むなんて贅沢な事もできる様になっています。
その反面失敗してしまう事も増えていますので、鰭酒が不味いなんて思っている人も少なくはないでしょう。
そこで今回はふぐの鰭で作る美味しい鰭酒の作り方をご紹介します。
鰭酒を美味しく作るためにはまずはお酒選びから
鰭酒を作る際にお酒ならどんな日本酒を使っても美味しくなるなんて思っている人はいませんか?
もしもその様に思っているのであれば、少し考えを改めて頂いた方が良いかもしれません。
というのも日本酒には甘口辛口などの種類があり、この種類によってのどの通りが違ってきます。
甘口の場合にはのど越しがドロッとした感じがあり、苦手だという人も少なくはありません。
また辛口はさらっとしたのど越しになっている物が多く、辛口の日本酒を好む人の方が多いでしょう。
また冷酒よりも常温や熱燗で飲むのがオススメとなっている日本酒の方が温めた時に日本酒の良い香りを楽しむ事ができます。
鰭酒を作るためのお酒選びで一つアドバイスするならば、鰭の味を邪魔しない癖の弱いお酒を選ぶと良いでしょう。
お酒の温度は熱めにしておく
鰭酒を美味しく作りたいのであれば、お酒の温度は熱めの温度にしておきましょう。
普段日本酒を熱燗にする場合多くの人が60℃前後の熱さにしているかと思いますが、60℃前後のお湯では鰭酒を作るのであれば少し温度が足りません。
というのもふぐの鰭に含まれているアミノ酸などのうま味成分が分解をされ始める温度が通常70℃以上です。
そのため70℃以下の温度で作ってしまってはふぐの旨味は全く染み出さないため、普通の鰭の入ったぬるめのお酒になってしまいます。
これでは鰭なんてない方が飲みやすいですし、良いですよね。
しかしいくら美味しい鰭酒でも超熱いお酒になっていますので、飲む際には注意して飲まないとやけどをしてしまいますので、注意してくださいね。
鰭をしっかりと焼く
鰭酒の鰭は炙ってあると思っている人も多いでしょうが、実際は焼いています。
ふぐの鰭は確かに生臭く、生臭さが残っている状態でお酒に入れてしまうと、臭くて飲めたものではありませんので注意しましょう。
焼き加減の目安はというと、こんがりきつい音色になるくらいがベストで、どちらかと言うと少し焦げるくらいまで焼くと生臭さは無くなりますのでオススメです。
コツとしては表面の気泡がぷつぷつと出てくるくらいまで焼くと香ばしさも増しますので、美味しく作れるでしょう。
また焼くときはガスコンロや魚焼きグリルを利用すると簡単に焼くことができますのでオススメです。
ただし焼きすぎると焦げが多くなってしまいお酒に沢山浮いてしまうので、本当に軽く焦げるくらいを目指して焼いていくと良いでしょう。
アルコールは飛ばす
お店などで注文した鰭酒には必ず蓋が付いています。
これは風味を逃がさないためだと言われていますが、蓋があるために気化したアルコールが表面にたまった状態になっています。
そのため強いアルコー臭でむせてしまう人も居るくらいです。
どんなに美味しい鰭酒でもむせてしまっては楽しめませんので、飲む前に必ず気化したアルコールをマッチやライターで飛ばして飲むようにすると良いでしょう。
因みに焼いたふぐの鰭をお酒に漬けて蒸らす時間はおおよそ3分程度で良いでしょう。
自宅で作る場合に、蓋が無い時にはアルミホイルで代用もできますので、是非美味しい鰭酒を作ってみてはいかがでしょうか。
釣り上げたふぐでは作らない
美味しく体が温まるふぐの鰭酒ですが、絶対に釣り上げたり捕獲したりしたふぐでは行わないようにしましょう。
なぜならふぐの仲間には皮膚に毒を持っている個体もいますので、わからずに鰭酒にして飲んでしまうと、皮膚から染み出したテトロドトキシンを体内へ入れてしまう事になってしまいます。
また近年ふぐの雑種化も進んでおり、見た目は知っているふぐでも有毒部分が違うなど天然のふぐはとても危険です。
鰭酒を作る場合には市販の鰭を使い、安全な状態の鰭酒をゆっくりと味わう!これが一番の美味しい鰭酒の作り方なのかもしれませんね。