ふぐの持っているテトロドトキシンは世界でも危険な毒として有名ですよね。
日本の歴史においても多くの人が、このふぐの毒であるテトロドトキシンの犠牲になってきました。
テトロドトキシンはサスペンスなどで良く聞く青酸カリよりも強力な毒で、人が死んでしまうのには十分な毒とされており、現代の社会においても解毒剤の無い毒として有名な毒でもあります。
中にはテトロドトキシンが自然界で一番危険な毒だと思っている方も多いかもしれませんが、実を言うとテトロドトキシンよりも強力で危険な毒は沢山あるようです。
ですがテトロドトキシンよりも強力な毒があると言っても、テトロドトキシンも危険な毒には変わりありません。
ではテトロドトキシンは自然界では、何番目に危険な毒だとされているのでしょうか。
今回はこのふぐの毒として有名なテトロドトキシンが、自然界でどれくらい危険な毒かという事をご紹介します。
□テトロドトキシンは自然界では8番目?
ふぐの持っている強力な毒であるテトロドトキシンは、とても危険ですよね。
食べてしまうと呼吸困難になってしまう為、窒息死してしまうなんて考えただけでも鳥肌がたってしまいます。
そんなテトロドトキシンは自然界の毒の中で実は、8番目に危険な毒だとされているようです。
あんなに危険だとされているのに、8番目だなんてなんだか自然界が怖くなってしまいそうですが、テトロドトキシンよりも上位の毒には生物が保持している毒が多いのでその様な生物と接触をしなければ何とかなりそうな気はします。
例えばテトロドトキシンよりも上位の毒に、バとらコトキシンという物が有りますが、これは南米などに生息しているヤドクカエルが持っている毒とされています。
ヤドクカエルも実は体内で毒を生成する物ではありませんから、餌である密林のアリやダニがそもそも保有している毒だとされているようです。
基本的に日本人にはヤドクカエルと接触する機会はありませんので、自然界の毒として強力だからと必要以上に怖がる必要はないでしょう。
生物が作り出す毒として最強とされている毒がポツリヌストキシンです。
この毒は毒素の抗原性の違いによりA型~G型に分かれるのですが、テトロドトキシンの9100倍の毒になっており、1gのポツリヌストキシンで100万人の人が死んでしまうとされています。
土中のポツリヌス菌が作り出す神経毒で、危険ですが禁自体が小さいので強力ではありますが、摂取しても致死量となる事は稀ではないでしょうか。
□テトロドトキシンはO-157の毒素より低い?
危険で危険で怖いテトロドトキシンですが、実は他の自然毒よりもかなり身近にテトロドトキシンよりも強力な毒が潜んでいます。
それがベロ毒といわれる毒なのです。
ベロ毒という言葉を聞いた事があるという方は多いのではないでしょうか。
中には聞いた事はあっても何の毒なのかわからないという方も多いでしょう。
このベロ毒という毒は、夏等の有名な食中毒を引き起こすとされているO-157が作り出す毒で、ふぐ毒であるテトロドトキシンの約10倍の毒となっています。
確かにO-157によってなくなってしまうという方は多くいますので、危険だという事はしられていますが、実はこのベロ毒は強力ですが分解する事がかのうです。
分解する方法としては75度で1分間の加熱といういたってシンプルな方法で、分解しがいの無い物質になってしまいます。
そう考えると、分解をすることができないふぐ毒であるテトロドトキシンと比べると確かに毒素は強力ですが、怖がる必要はないと言えるでしょう。
□海の毒としては3番目
ふぐ毒であるテトロドトキシンは海の生物が持っている毒としては4番に強い毒だとされています。
1位がマイトキシンというサンゴ礁域に生息するサザナミハギが持つ毒です。
テトロドトキシンの59倍の毒だとされています。
次いで2番目が、イソギンチャクなどが保有するとされているパリトキシンです。
このパリトキシンはイソギンチャクを食べる魚も毒化してしまう事が有りますので、そのような魚を食べる際には注意が必要だといえるでしょう。
3位はサキシトキシンです。
このサキシトキシンはムラサキガイなどが保有している毒とされていますが、巻貝やアサリ、ホタテなどにも保有が確認されていますので、注意が必要です。
□自然界8番目は安全な毒だというわけでは無い
今回ふぐ毒であるテトロドトキシンが自然界で8番目といいましたが、決して安全な毒ではありません。
特に上位の毒の中には熱によって分解される毒もありますがテトロドトキシンは分解されないという点を見ると、テトロドトキシンは、強さは劣りますがとても厄介な毒だといえるのです。
そんなテトロドトキシンを体内に保有しているふぐですからしっかりした知識と技術を持っている方が捌いたものを安心して食べるようにすることが大切なのです。