皆さんはふぐの鍋(てっちり)は好きですか。
ふぐ料理というと、ふぐ刺(てっさ)しと同じくらい人々に親しまれているのが、ふぐ鍋(てっちり)ですよね。
ふぐ刺し(てっさ)と違い鍋ですから基本的には煮ますので、身もほぐれやすく老若男女で食べやすいという特徴があります。
そんなふぐ鍋(てっちり)を作ろうと思い、山口県は下関の唐戸市場へ向かいました。
そこで、鍋用のふぐよりも一夜干しのふぐの方が大きく食べ応えがありそうだったため、一夜干しのふぐを購入しようとしたのですが、お店の方に一夜干しは鍋に入れても美味しくないよという様な事を言われたため、仕方なく鍋用のふぐを購入してきました。
確かに最初はうるさいなと思ったのですが、話を聞くと一夜干しが鍋に向かない理由にも納得できたのですが、私と同じように一夜干しを鍋に入れようとしてしまう方がいらっしゃるかもしれませんよね。
そんな方達の為に今回は、ふぐの一夜干しが鍋に不向きな理由をご紹介します。
■鍋の味を狂わしてしまう
ふぐ鍋に限らず、鍋というとしっかりと味を決めて、多くの具を煮て食べるという様な食べ方ですよね。
ですから、水炊きのようなポン酢などを利用して食べるもの以外は、出汁やスープの味が大切だと言えるでしょう。
しかしふぐの一夜干しを入れてしまうと、鍋の味が少し塩辛くなってしまう可能性があるのです。
というのも、ふぐの一夜干しを作る際には塩を大量に振りかけてありますので、その塩気が鍋の中で出てしまう為に、鍋の味がくるってしまうのです。
沢山の塩を使用して作ってあるふぐの一夜干しですから、一夜干しを一つ入れる度に塩分が染み出しますので、食べ始めよりも食べ終わりの方がより塩辛い鍋になってしまうと言っても良いでしょう。
■洗ったらOK?
塩を使って作られる一夜干しですから、表面に付いている塩分をしっかりと洗い流してから鍋に入れると良いのではないかと考える方も少なくはありませんよね。
私も実は洗ってから、鍋の中にいれたら良いじゃないかと思っていたのですが、よく考えると無駄だという事がお分かりいただけるかと思います。
というのも、一夜干しのふぐには多くの塩が使われているというのは、前述したとおり名のですが、この一夜干しのふぐにかける塩は、ふぐの身の中の余分な水分をしっかりと抜くために使われているのです。
ですから、水分が染み出るとその水分によって塩が溶けます。
そしてペーパーなどに吸い取られていくのですが、水分が出る過程で塩分が身の中にも染みてしまうのです。
その為、思ったよりもしっかりとした塩味が付いているという現象が起きるのです。
ですから、表面の塩分をしっかりと洗い流しても塩気が抜けないという様な状況になってしまう為、ちょっとやそっと洗っても無駄だと言えるのです。
例えば、塩サバの塩分を洗ってから焼いてもかなり塩辛いという様な経験があるという方も多いのではないでしょうか。
これはサバの中に塩分が染みているからだと言えるでしょう。
ですから、それでも一夜干しを鍋に使いたいという強者の方は、水を張ったボウルにふぐを一晩浸しておくと、塩分が多少抜けますので洗うよりはましになるかと思います。
しかしあくまでも、ましになるだけですから塩気が完全になくなるわけではありませんので、結局のところ鍋の味が狂ってしまうのです。
■唐揚げ用もダメ?
一夜干しが鍋に向いていないからと言って、唐揚げ様に味付けされている物を洗って使用しようとする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし唐揚げ用も味が付いており、さらには衣まで付いていますので、一夜干しよりも不向きだと言えるのです。
唐揚げ用は洗っても、衣が少なからず残ってしまう事もあり鍋が本当に美味しく無くなりますので、注意が必要だと言えるでしょう。
もしもどうしても試してみたいという方がいらっしゃれば留はしませんが、唐揚げ様に味付けされている物は唐揚げで食べる方が絶対的に美味しいといえますので、鍋ではなく唐揚げにしましょう。
■小さくても鍋用の物を使用する
確かに唐揚げ用や一夜干しの方が、身が厚かったりプリッとしていたりと美味しそうに見える事があります。
しかし一夜干しは所詮一夜干しですから、鍋にはなり得ないと言えるでしょう。
確かに水に浸けておくと少なからず塩気が抜けますが、それでも一夜干しのふぐを入れると入れるほどに塩辛くなってしまうと言えますので、注意をするようにしてくださいね。
このように、ふぐ鍋を作る際には鍋用の物をしっかりと利用するという事が一番だと言えるでしょう。
もしも鍋用のふぐが品切れだった場合には、身欠きふぐで代用ができますので、鍋様なない時には身欠きふぐを購入すると良いと言えるでしょう。
また、市場やスーパーで購入しなくても、通信販売でも鍋用のふぐを注文する事ができますので、そちらを利用すると失敗しませんのでおすすめです。