日本料理の中でも高級な物といえばふぐ料理ですよね。
そんなふぐ料理のファンは日本中または海外にも多くいるようです。
しかしふぐのファンの中には、ふぐをただ食べたいだけという人も居ますので、お店で食べず素人料理をしてしまうという方も多いようです。
昔の日本では流通が整備されていなかったせいか、海周辺の人たちはふぐの危険性を知っていましたが、山沿いの集落に住んでいる人はふぐの危険性を知らないという人も多かったようです。
その為過去にはふぐを禁止するような法律を作る必要が有ったほどなのですが、その当時も武士ではない人たちは隠れてふぐを楽しんでいました。
完全に日本の食文化となったふぐ食は、明治になってから山口県の下関市から解禁が始まり今に至りました。
しっかりとした安全性の確保が行われ提供されているふぐですが、現在もふぐによる食中毒が起こってしまうようです。
ではなぜふぐに対する安全性の確保がされている状況にも関わらず、ふぐによる食中毒が起こってしまうのでしょうか。
今回はそんなふぐの食中毒が起こってしまう原因をご紹介します。
□食中毒は基本素人料理で起きる?
ふぐの調理というと、基本的にはしっかりと知識と技術のあるふぐ調理師の人が行います。
ふぐ調理師の人たちはしっかりとした知識が有りますので、しっかりとふぐの有毒部分は処理をしてくれますので、安心してふぐを食べる事ができます。
知識だけではなくしっかりとした腕もありますので、提供される側の私たちも安心して食べる事ができますよね。
しかしもしもこの調理をした人が一般の人だったらどうでしょうか。
一般の人が調理したと知るまでは安心して食べる事は出来ますが、知ったら食べる事さえできませんよね。
また安全に食べる事ができるかというと、知っていない状態でも決して安全ではないはずです。
知っていたら絶対に食べないレベルですよね。
しかしこのふぐを食べてしまう人たちがいるのです。
それは自分のふぐの調理が完璧だと思っている素人の人々なのです。
素人ですからふぐについて学んではいませんし、ふぐの捌きかたも我流です。
しかし素人の人たちは、それでも確実にふぐの毒を除去できていると考えているのです。
このためふぐを自分で捌き、自分で食べた人が緊急搬送されるということが多くなっています。
また中には悪質な店が有り、ふぐ調理師の免許を持っている人が居ないのに、ふぐを提供するというお店もありますので、そのようなお店からも被害者が出てしまうという事に繋がっているのではないでしょうか。
□素人調理が無くならないのはなぜ?
なぜ今もふぐの素人調理が無くならないのでしょうか。
それはおそらく、ふぐが美味しい為というのもありますし、値段が張る為少しでも安く食べたいと思ってしまう人が居るためかもしれません。
しかしフルコースになるとふぐの料金は高くなってしまいますが、単品だとそんなに驚くほどではありません。
予約が必要だから面倒だという人も居ますが、予約の必要ないお店もあります。
むしろ取り寄せを使えば自宅に届きますので、自宅で食べるという事もできるのです。
このように確かに昔は少し敷居が高いイメージのふぐ料理でしたが、海外からの観光客が増えたせいか、意外と入る事もできるお店になっているのです。
また養殖のとらふぐが増えましたので安定的な供給ができるという点と、養殖物という点でも値段が少し下がったのも、入りやすくなった理由かもしれませんね。
ですから最近では、危険を冒してまでふぐを素人調理で食べるという事をしなくても良いという事が言えるでしょう。
□ふぐの毒であるテトロドトキシンには解毒剤が無い
もしもふぐの毒によって食中毒になったとしても、解毒剤があるから大丈夫なんじゃないの?と考えている人も少なくはないでしょう。
確かにふぐの中毒症状が出たら病院に搬送されますので、しっかりとした治療や解毒剤などによる解毒治療が行われていると思っている人も多いかもしれません。
しかしふぐの持つテトロドトキシンには解毒剤は存在していません。
テトロドトキシンはとても複雑な毒である為、研究が難航しているどうでもあります。
その為、テトロドトキシンの解毒剤はおろかてテトロドトキシンの性質などもまだまだ解明できていない部分が多くあるのです。
因みに病院へ行っても、胃の洗浄や症状が進んで呼吸困難になった場合の人工呼吸器による応急処置が基本です。
ですから病院に搬送されたからと言って助かるわけでもなく、助かるのは本当に運が良い人なのです。
因みに運が悪いと死んでしまうケースもありますので、ふぐの調理は素人が我流で行って良いものではないのです。
ふぐを食べたいという気持ちはわかりますが、まずは安全にそして安心して食べる事ができるというのが必要ですから、プロが調理したふぐを食べるようにしなくてはいけないのです。
もしも今まで素人調理をしていたという方がいらっしゃれば、次からはしない様にしてくださいね。